EFSのパフォーマンスモードと、スループットモードについて
こんにちは、坂巻です。
Amazon Elastic File System(以下、EFS)に関するエントリです。
今回はEFSのパフォーマンスモードと、スループットモード機能についてまとめてみました。
目次
- パフォーマンスモード
- 汎用モード
- 最大I/Oパフォーマンスモード
- パフォーマンスモードの違い
- パフォーマンスモードの選定
- スループットモード
- バーストモード
- プロビジョニングモード
- スループットモードの違い
- スループットモードの選定
パフォーマンスモード
パフォーマンスモードは汎用モードと最大I/Oパフォーマンスモードの2つがあります。
汎用モード
ファイルサービスなど一般的な用途を想定したモードで、レイテンシーを優先する場合に使用するモードです。
最大I/Oパフォーマンスモード
ファイル操作のレイテンシーが汎用モードに比べ、わずかに長くなる代わりに、何十〜何千台のクライアントから同時にアクセスするような、合計スループットを優先する場合に使用するモードです。
パフォーマンスモードの違い
以下、Black Beltからの引用です。
パフォーマンスモードの選定
パフォーマンスモードには追加コストがかからないため、選択するパフォーマンスモードによるコストへの影響はありません。 どちらを利用するかはシステムの要件次第になると思いますが、大規模なアクセス等が見込まれなければ、汎用モードの利用が推奨されています。
汎用モードを利用されている場合は、
汎用モードのI/O制限にどれだけ近づいているかを示す、PercentIOLimit
メトリクスを定期的に確認しましょう。(CWアラームを設定してもいいですね!)
PercentIOLimit
メトリクスは汎用モードでのみ提供されるメトリクスで、
このメトリクスが100%、またはそれに近い場合は汎用モードも限界に達している判断できます。
この値が頻繁に100%に達している場合は、最大I/Oパフォーマンスモードの利用を検討する必要があります。
なお、EFSでは後からパフィーマンスモードを変更する事ができませんので、
モードの変更を行う場合は、新たに最大IOモードのファイルシステムを作成して、File Sync等を利用してデータの移行が必要になります。
スループットモード
スループットモードはバーストモードとプロビジョニングモードの2つがあります。
バーストモード
バーストモードでは、使用しているファイルシステムの容量に応じてスループットが拡張されるモードです。
ファイルシステムの使用量に応じてスループットのベースラインが決まり、
現在のスループットがベースラインより低い場合は、クレジットが蓄積され、ベースラインよりも高ければクレジットが消費されます。
蓄積されたバーストクレジットにより、ベースラインを上回るスループットを駆動できます。
なお、使用容量に関係なく、すべてのファイルシステムは、100MiB/秒のスループットまでバーストすることが可能です。詳細については以下をご確認ください。
プロビジョニングモード
プロビジョニングモードでは、一貫したスループットが提供されます。
ストレージへのスループット速度が高いアプリケーションや、バーストモードで許容されている以上の要件がある場合に使用します。
なお、プロビジョニングモードは追加料金が発生しますのでご注意ください。
スループットモードの違い
以下、Black Beltからの引用です。
スループットモードの選定
バースト状態BurstCreditBalance
メトリクスで確認することができます。
ファイルシステムの使用量が1TiBより小さいファイルシステムの場合、BurstCreditBalanceに2.1TiBクレジットが蓄積されており、
BurstCreditBalance
メトリクスの値が0または、大きな減少がみられる場合は、プロビジョニングモードを検討する必要があります。
(CWアラームを設定してもいいですね!)
なお、スループットモードは、ファイルシステム作成後に変更することも可能です。
さいごに
パフォーマンスモードは後から変更を行う場合、それなりの手間がかかりますので事前に利用用途を正しく把握して選定を行いましょう。 スループットモードは、後から変更可能ですので、追加料金が発生しないバーストモードの利用から開始して、利用状態をみてプロビジョニングモードを検討してはいかがでしょうか。